中期経営計画

当社における2028年度までの経営目標についてご説明いたします。
なお、本計画は2025年3月時点での事業環境に基づき策定したものであります。上場後の事業進捗を反映し、より実効性の高い計画とするため、2026年5月公表予定の2026年3月期決算の発表に合わせてアップデートを行う予定です。

中長期経営計画で目指す姿

当社は「不妊治療製品における模倣困難領域を追求し、グローバルで確固たる地位を築く」ことを、中長期的なビジョンとして掲げております。
命の誕生に寄り添う企業として、日本発の技術力と繊細な対応力を武器に、世界中の医療現場から選ばれ続ける存在を目指します。この目標を達成するため、「市場における信頼の確立」「次世代の事業運営」「一人ひとりが輝く組織風土」の3つの柱を軸に、以下の姿を実現してまいります。

1.市場における信頼の確立

　・Made in Japanに裏打ちされた高い信頼性を築く
　・顧客ごとに異なるニーズに対して、素早くきめ細かな対応による満足度向上を目指す
　・不妊治療の凍結保存分野において、他社の追随を許さないブランド力を維持する

2.次世代の事業運営

　・北里ブランドを更にグローバルに展開し、より多くのユーザーに笑顔を届ける
　・生産効率を向上させ、より多くの製品を製造・販売できるようにする
　・凍結保存技術を活用した新たなサービスを展開する

3.一人ひとりが輝く組織風土

　・個々人が自主性を持って業務に取り組む組織にする
　・従業員の取り組みが客観的に評価され、やりがいを感じられる職場を目指す
　・皆が無理なく働ける環境を構築する

2028年度に向けた目標値

当社は以下の経営指標を目指します。

売上高成長率

売上高成長率年平均4％以上の持続的な成長国内市場のシェアを堅持しつつ、拡大するグローバル市場の需要を取り込むことで、着実な増収を図ります。

海外売上高比率

海外売上高比率を70％への拡大し、「北里ブランド」の浸透を加速させ、世界各地の医療機関への導入を推進することで、売上構成のグローバル化をさらに進めます。

営業利益率

営業利益率50％以上の高水準を維持・向上模倣困難な独自技術による高付加価値化と生産効率の改善を追求します。売上高の成長に合わせ、利益率についても緩やかな右肩上がりを目指す、筋肉質な経営体質を構築してまいります。

［売上高推移］

3つの戦略の柱

1.国内市場のシェアの維持・拡大

当社は、病院、クリニックへの導入支援・テクニカルサポートと、Made in Japanの品質・安定供給を強みに、既存顧客の深耕と新規施設への採用拡大を進めます。微細なカスタム対応や標準化・多重検査による品質確保により、主要領域（凍結関連）の継続利用を促し、国内でのプレゼンスを一段と高めます。

2.海外市場のさらなる開拓

欧州・米国・中国・インドを重点地域とし、現地の規制・認証取得を順次進めながら、製品ラインアップの横展開とパートナー（代理店・学会・トレーニング）連携を強化します。直販・販路最適化と品質・サポート面の差別化で、新規顧客の獲得と既存顧客での採用製品数拡大を図り、持続的な海外成長を実現します。

3.生産･研究開発施設の増設による製品供給力の向上

新社屋を中核に、段階的な自動化・トレーサビリティ強化・工程最適化を進め、再現性と歩留まりの向上、安定供給を両立します。多品種少量の生産体制および研究開発体制の強化と、OEMからの内製化移行により、収益性の改善と新製品のタイムリーな市場投入を加速します。

経営基盤の強化と成長投資の配分

当社は、高い収益性を背景に安定的に創出されるキャッシュを、将来の成長に向けた「有効投資」、変化に強い「経営基盤の強化」、そして「株主還元」の3点へバランスよく配分することで、持続的な企業価値の向上を目指します。
具体的には、グローバルでのシェア拡大や機動的なM&A等による成長の加速を図る一方で、それらを支える土台として、社員教育の充実や多様な人財の採用といった「経営基盤の強化」に注力いたします。
また、資本効率を意識しつつ、連結配当性向40％以上を目安とした安定的な配当を継続することで、株主の皆様の期待に応えるとともに、攻めと守りの調和が取れた筋肉質な経営を推進してまいります。